東洋医学でいう「血」とは

東洋医学でいう「血」とは

「血」は、体の中をめぐる赤い血液のこと。全身にたくさんの栄養素を届けることで、生命活動を支える重要な役割をもっています。
ここまではなんとなくみなさんが想像する通りだと思いますが、東洋医学における「血」は、精神活動を支える作用があるとも考えてられているのが特徴です。
全身の血管をめぐって体中を栄養すると同時に、精神活動にも関わる「血」。とても重要な存在ですが、どのように作られているのでしょうか?
「血」は、食べ物や飲み物がおなか(脾胃)で消化吸収されて酸素(肺気)と結びつくことで作られると考えられています。
言い換えれば、「血」を適切に補うには、栄養バランスのとれた飲食物と、きれいな空気が必要なのです。

「血」にはどんな働きがあるの?
全身に栄養を届ける「血」。東洋医学では、具体的に5つの働きがあると考えられています。

・営養作用
五臓の「肝」に貯蔵された栄養を全身に届けます。

・滋潤作用
肌や髪など、全身に健やかなうるおいを与えます。

・載気作用
体が活動するエネルギー源「気」を体中に運びます。

・養気作用
「気」そのものに栄養を供給し、心身のエネルギーをパワーアップさせます。

・安神作用
意識を明瞭したり、精神状態を安定させて落ち着かせます。

 

 

「血」にまつわる不調タイプとケア方法
全身に栄養を運ぶ「血」が原因で起こる体の不調として、代表的な2つのタイプと改善方法をご紹介。

「最近なんとなく調子が悪い」と感じる方、あてはまるものがあるかもしれません。

・血虚(けっきょ)タイプ・・・血が足りない栄養不足状態

「血」そのものが不足しがち、また「血」を生み出すちからが弱いのが「血虚」の特徴です。
「血」が足りないため全身に栄養を十分に届けられず、血色が悪くなったりふらついたりする傾向が見られます。肌や髪などもかさついたり、睡眠が浅くなったりと、様々な不調の原因になります。
・顔、舌、唇の色が淡く白っぽい
・めまい、立ちくらみをしやすい
・寝付きが悪い・眠りが浅い、夢をよく見る
・手足がしびれやすい、つりやすい
・まぶたや筋肉がぴくぴくと引きつる
・コロコロとした便が出る
・髪にツヤがない、白髪が多い
・爪が淡く白っぽい
・生理が遅れる、量が少ない

血虚をケアするには
血虚タイプは血を補うことが第一。黒豆、牡蠣、レバー、ベリー類などいわゆる補血食材で「血」を食事面から補うのがおすすめです。
特に女性は「血」が不足しがち。また、脳の酷使や夜更かしは「血」の消耗を加速させます。しっかり睡眠や休息をとり、規則正しい生活を心がけましょう。

・血瘀(けつお)タイプ・・・血のめぐりが悪い血行不良状態

「血」の流れが滞ってしまい、さまざまな不調が生じるのが「血瘀」タイプ。
頭痛・肩こり・生理痛といった痛みの不調に悩まされがち。また、正常に肌のターンオーバーが行われないため、シミやそばかすなど色素が沈着しやすい傾向も。

・顔色が暗い(紫っぽい、どす黒い)
・目の下にクマができる
・肌が乾燥する
・シミ、そばかすができる
・色素沈着しやすい、日焼け跡や傷跡が消えにくい
・毛髪が抜けやすい
・あざができやすい
・夜間に頭痛がひどくなる
・生理痛があり、レバー状の血の塊が出る
・物忘れしやすい
・静脈が浮いて見える
血瘀をケアするには
血流を良くして、流れの悪くなった状態を改善する「活血化瘀(かっけつかお)」を意識するのがポイント。
ウォーキングやストレッチなどの簡単な運動で、「血」のめぐりをよくしましょう。体を冷やさないように冷たい飲食物は避け、じっくりお風呂で温まるのも効果的。
ストレスから血行不良が引き起こされることがあります。普段からストレスを溜め込まないことも大切です。
日頃の食事にも、あずき、玉ねぎ、茄子、鯖などの血のめぐりをよくする食材を取り入れてみてください。

 

まずは自分のタイプを知って適切な「血」のケアを
不調の原因は一人ひとりの体質や状態によりさまざまです。気になる不調を改善するために、まずは自分のタイプを知ることからはじめましょう。

 


 
 

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